一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「今回がはじめてだよ。メディアテックとは今後のことでじっくり話したくてね。いちいち足を運ぶより、このほうが効率はいい」


メディアテックに来て早々、幹部たちを集めて熱弁を奮っていた拓海を思い出した。鋭さを秘めたまなざしは、いかにも敏腕社長そのものだった。


「それと、そうすれば毎日実花子に会えるしね」


そういうセリフを好きでもない実花子に対してさらっと言えるのも超人的である。これが実花子でなかったら、ころっと騙されているだろう。
いや、実花子であっても拓海の本心を知らなければ、うっかり好きになっていたはず。


「信じてないって顔だね」


ニコニコと屈託のない笑顔を浮かべながら聞かれ、素直にうなずく。


「実花子は疑り深いな」
「会えてうれしいとか、あまり軽はずみなことは言わないほうがいいと思います」


一応忠告も必要だ。拓海のセリフにもしも勘違いする女性がいて、一応は恋人役を担っている自分に怒りをぶつけられたら堪らない。


「軽はずみじゃないよ。実花子に会うと、なんか元気になれるんだよね」
「ですからそれも」


警告したそばからそれでは先が思いやられる。拓海はハハッと笑うばかりだった。
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