一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
うしろに隠した手を拓海が強引に取り、両手で実花子の手を握りしめる。
「ほら震えてるじゃないか」
そうされて気のせいだと反論できなくなった。突発的に注意したが、本当は怖かったのだ。拓海に手を握られ、少しずつ震えが収まってくる。
「木登りくらいのお転婆なら笑って済ませられるけど、さっきのはそうはいかない」
「でも」
「わかってる。悪いのはさっきの男たちのほうだ。それを注意できる実花子も素晴らしいと思う。でも、俺がいなかったらどうなっていたかわかる?」
いつも微笑みを絶やさない拓海の真顔を見て、反論は間違いだと悟った。
「……はい」
男に手首を掴まれた感触が蘇る。殴られるか突き飛ばされるか。どんな仕打ちをされたかわからないが、軽傷を負う危険性があったのは拓海の言う通りだ。
「ごめんなさい」
素直に謝る。