一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
男の目はゴミと拓海を何度も行き来する。それはまるで猛獣に怯える小鹿のようだった。
「よこせ!」
言うが早いか、男は拓海からゴミを奪い取ると足をもつれさせながら転がるようにして去っていった。
あっという間に背中が遠ざかる。
「大丈夫だった?」
「はい……ありがとうございました」
心配そうに顔を覗き込んだ拓海に答える。
「無茶なことはするものじゃない」
「このくらい平気です。私、お転婆ですから」
はじめて会った日の拓海の言葉を使い回す。
「その割には手が震えてるけど」
「えっ……」
そう言われてはじめて、プルプルと小刻みに揺れる自分の指先に気づいた。
「これはべつに」