一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


大きくひとつ息を吐いて、真里亜がそこでようやく緊張を解く。

いわばライバルの実花子にそんな話を聞きたくないのが本音のはず。突然現れた婚約者に、ここまで自分をさらけ出すほど真里亜は拓海を好きなのだと思うと、胃がキリキリと痛みだす。

実花子よりずっと前から拓海を見てきて、実花子よりずっと早くから彼に思いを寄せていた。そんな彼女に自分は敵うのだろうかと不安になる。


「もうひとつ、聞いてもいいですか?」
「……はい」
「結婚は……いつのご予定ですか?」


真里亜の唇は微かに震えていた。


「それはまだなにも……」


するかどうかも不確定だ。


「そうですか……」


話題が結婚に移った途端、空気が重くなるのを感じた。婚約者だと紹介された実花子を前にしても、拓海へ募らせた上司以上の想いを隠さない真里亜に、漠然とした不安が持ち上がる。
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