一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
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拓海の事件から四日が過ぎようとしていた。
ホテルに軟禁状態の拓海からは、なんの音沙汰もない。スマートフォンは電源を切られているのか、いつ掛けても留守番電話に繋がるだけだった。
ニュースでも犯人が捕まった報道はなく、事件は起きていなかったのではないかと思えてくる。
ホテルで見た拓海の姿は、夢だったのかもしれない。
衝撃的な事件を目にした実花子はいつの間にか意識を失い、そのままずっと眠り続けている。今も、まだその夢の中。そんな気がしてくるほどだった。
気分転換にと、久しぶりに一休の暖簾をくぐる。いつも座るカウンターに腰を下ろすと、店主が「久々だね」と煤けた顔で笑った。
相変わらず店内には男性の姿ばかり。今夜も、女性客は実花子ひとりだけだ。
「いつものでいいかい?」
「それと、はつとかわもお願いします」
「あいよ」
お馴染みの冷酒を用意してもらい、早速焼きはじめてもらった。
どうしたら拓海と連絡が取れるだろう。まだ犯人が捕まっていないのだとしたら、実花子が勝手な行動でホテルへ行って邪魔するわけにもいかない。待つしかできないのがもどかしかった。