一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
約束の時間を五分ほど過ぎていた。
「いやいや、彼もたった今着いたところだよ」
白鳥の向かいの席、つまり実花子に背を向けて座っていた男性がおもむろに立ち上がった。思いのほかスラっとした長身が、その容姿の良さを瞬時に期待させる。ただ会うだけのお見合いだと自分で言っているくせに、実花子もゲンキンだ。
男性が、ゆっくりとした動作で振り返る。その瞬間、実花子の喉はひゅんと音を立てた。
「あれ? キミはさっきの」
あの王子様だったのだ。
「お転婆な女性じゃないか」
恥ずかしい形容詞に顔が赤く染まる。いっぽうは王子様だというのに、もういっぽうがお転婆だとは、なんて罪深い取り合わせだろう。
「……先ほどはすみませんでした」
頬に熱を持ったまま頭を下げる。