一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
拓海が柔らかく微笑んだ。いつもの王子様スマイルとは違う、どこか安堵したような笑みだった。
「でも、実花子への気持ちに気づかされたとき、同時に怖くなったんだ。いつか実花子を失う日が来るかもしれないって。だから、事件が解決したあと、実花子に連絡できなかった」
母親を失ったように、実花子もいつか拓海の前から消えるということだろうか。
実花子は首を横に振った。
拓海が実花子を好きで、必要としてくれているのなら。
「私はどこにも行きません」
実花子も拓海のそばにいたいと強く願っていた。
拓海はゆっくりと近づき、両手で実花子の頬を包み込んだ。
「……俺を好きだと思ってもいいんだな?」
ふたつの瞳がどこか頼りなげに揺れる。小さくうなずいた実花子に、拓海が唇を寄せた。
ところが、あと数センチで触れ合うところで、拓海の唇が留まる。