一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
実花子は拓海と顔を見合わせた。
拓海がなにかしゃべったわけではなさそうだし、龍二はなんて勘がいいのだろう。
「だから、結婚を前提に付き合ってるって、前来た時に紹介しただろう?」
「いや、あの時はそんな関係じゃなかったはずだ。何人のお客さんを見てきたと思ってるんだよ」
そう言われると返す言葉もない。
たしかに、こういう商売をしていると人を見る目は養われるかもしれない。
「龍二はカクテル作りに集中してればいいんだよ」
「へいへい。俺は邪魔ってことね」
龍二は拓海の反撃を適当にあしらうと、手早く仕上げたコスモポリタンを実花子の前へ置いた。
拓海と軽くグラスを合わせて、早速口をつける。柑橘系の香りが鼻から抜けて、気分まで爽快だ。
「実花子が酔っぱらう前に話しておきたいことがあるんだ」
なんだろうかと拓海を見る。すると、拓海は胸ポケットから小さな小箱を取り出した。
恋愛から遠ざかってきた実花子でも、それがなにか想像できるものだった。深い緑色の小さなケース。その蓋を拓海が開く。