一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


拓海に好意を持っているのは確実だ。ただ、結婚が絡むと、そう簡単にいかないのではないか。どうしてもためらいが出る。


「それなら、これから祐介くんのところへ行こう」
「え?」
「祐介くんに直接会って確認したい。これはひとまず退散だ」


指輪の入ったケースを胸ポケットにしまい込む。そうと決まれば早いほうがいいと、拓海は会計を済ませた。

龍二が呼んだタクシーに乗り込み、実花子のアパートを目指す。拓海はどこかうれしそうに窓の外に視線を流していた。


アパートへ帰ると、祐介はちょうど夕飯を食べ終えた食器をキッチンへ片づけていた。拓海を見て、その顔が笑みでいっぱいになる。


「部活、遅くまで頑張ってたんだって?」
「うん。もうすぐ三年生たちも引退だしね」


姉の実花子より気が利く弟だ。祐介は拓海にお茶を淹れてテーブルに出した。


「祐介くん、今日は大切な話があってここへ来たんだ」
「大切な話?」
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