一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
現にそのとおりだから困る。せいぜい眉間に皺を寄せて反発を示すくらいしかできないのだ。
「ごめん、実花子」
そのうえ、この笑顔。このキラースマイルを向けられると、なんだって許してしまいたくなる。
「私ももっと前に拓海さんと知り合いたかったな」
実花子の口からつい本音がポツリと漏れた。そうすれば、過去に嫉妬しなくても済んだだろうに。真里亜に妙な対抗心を燃やさなくてもよかっただろうに。
そしてなによりも、せめて一年前に拓海の父親が亡くなるときに、そばにいてあげられたらよかった。過去はどうにもならないから、余計にそう思ってしまう。
「これから全部教えるから」
拓海の指先が、実花子の髪を耳に掛ける。優しくて少し熱を帯びた視線が実花子を捕えた。
体を拓海に向けさせ、そっと引き寄せる。
「生まれてから今まで、なにを見てなにを感じたのか。実花子がわずらわしいと思うくらい全部。だから、実花子も、俺に実花子の全部を教えて」