一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

自分の置かれた状況がさっぱり理解できず、意識がはっきりしてきた分、パニックを起こしそうになる。

――とにかく、ここから出ないと。

脱出する結論に至って立ち上がる。

実花子がドアに近づいたときだった。カギのつまみがゆっくり回って、カチャリと音を立てる
咄嗟に飛び退くと、重そうな鉄製の扉がギィと鳴りながら開いた。嫌な緊張が全身を駆け抜ける中、入ってきたのは大里だった。


「大里さん!」


見知った顔にホッとして思わず駆け寄りそうになったものの、その顔がさっきまでとは打って変わり厳しい表情で、実花子は足を止めざるを得なかった。


「……大里さん?」
「目が覚めたんですね」
「あの、どうしてこんなところに? 拓海さんは? ホテルに行くんじゃなかったんですか?」


状況を把握したい一心で、立て続けに質問でまくし立てる。

だが、大里は実花子の焦りを気にも留めず、落ち着いた様子でゆっくりとドアを閉めた。
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