一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
『実花子! そこにいるのか!?』
つい先ほどまでは強気でいられたのに、拓海に呼び掛けられて急に心細くなる。拓海の声が、弱気な実花子を呼び起こそうとしていた。
『実花子、いるのなら返事をしてくれ。頼む、実花子』
切実な言い方に心がぐらつく。
たまたま大里が実花子のスマートフォンを拾っただけ。無茶苦茶ではあるが、そう思わせたかった。
それなのに何度も拓海から名前を呼ばれて唇が震える。
「……拓海さん」
声が胸から溢れるように出てしまった。
『実花子! 大丈夫なのか!?』
「はい……ごめんなさい」
実花子がしっかり警戒していたら、こんな状況には陥らなかった。拓海には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。