一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「ありがとうございます。では、こちらへどうぞ」


にこやかな笑みのスタッフのあとに拓海が続く。実花子は彼の意図がまったく読めなかった。
ボーっと突っ立ったままでいる実花子に、拓海が振り返る。


「乗るよ」
「あ、はい」


小走りに近づくと、スタッフに撮影ポイントへ誘導された。


「では、こちらに立ってくださいね」


スタッフはひと声かけてカメラをスタンバイし、少し離れた位置でしゃがみ込んだ。観覧車をバックに撮影するらしい。


「もう少し寄り添っていただけますか?」


そう言われても……と実花子は戸惑うばかり。


「はい、もう少し」


数ミリ足を動かすので精いっぱい。「はい、チーズ」と言われても笑えない。
< 328 / 411 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop