一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「ありがとうございます。では、こちらへどうぞ」
にこやかな笑みのスタッフのあとに拓海が続く。実花子は彼の意図がまったく読めなかった。
ボーっと突っ立ったままでいる実花子に、拓海が振り返る。
「乗るよ」
「あ、はい」
小走りに近づくと、スタッフに撮影ポイントへ誘導された。
「では、こちらに立ってくださいね」
スタッフはひと声かけてカメラをスタンバイし、少し離れた位置でしゃがみ込んだ。観覧車をバックに撮影するらしい。
「もう少し寄り添っていただけますか?」
そう言われても……と実花子は戸惑うばかり。
「はい、もう少し」
数ミリ足を動かすので精いっぱい。「はい、チーズ」と言われても笑えない。