一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

白鳥といい祐介といい、実花子は人に謝らせてばかりだ。


「拓海くんのこと、少し待ってあげてくれないかな」
「……はい?」
「今ね、合併してきた企業をもう一度精査しているんだ。その企業のトップとも何度も会合を重ねて、お互いの意思のすり合わせをしている。それが済んで、今回のようなことがないだろうと判断できれば、拓海くんの気持ちも落ち着くと思うんだ。それまで待ってあげてほしいんだけど、どうだい?」


白鳥に横から顔を覗き込まれた。

どうだい?と言われても……。本当にそうなのだろうか。
遊園地での拓海の態度は、どう思い返してみても拒絶的なものにしか見えなくて、白鳥の言葉を今すぐ信じられない。


「もう気持ちにケリをつけてしまったかい?」


思い切り首を横に振った。ケリをつけるどころか、日が経つほどに拓海の存在は大きくなるいっぽう。忘れたふり、吹っ切ったつもりでいないと、どうにかなってしまいそう。


「実花子ちゃんにはお願いばかりで申し訳ないんだけど、よろしく頼むよ」


空になっていた実花子のグラスにお酒を注ぐ。
自分は手酌でグラスを満たすと、白鳥は実花子に向けてグラスを持ち上げた。拓海と実花子の未来に乾杯ということなのか、白鳥はニッコリ微笑んだ。
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