一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
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「たまには一緒にご飯でもどう? ごちそうするよ」
ごちそうしてくれると言われれば、実花子に断る理由はない。着替えを済ませ、高木に誘われるまま道場をあとにした。
午後九時過ぎ。オフィス街のこのあたりは、人が引ける気配がまだない。仕事帰りや食事帰りの人波に乗って、実花子たちも歩きはじめた。
「実花子ちゃん、なにか食べたいものはある?」
「そうですね、なにがいいかな」
なにも食べないで道場へ向かったため、お腹はペコペコ。この際、食べ物ならなんでもいいくらいだ。
「和洋中で言ったらなにが好き?」
「なんでも好きです」
「ハハッ、実花子ちゃんらしいや」
高木が笑い飛ばす。
高木の中で、実花子はいったいどんな印象なのだろうか。食べ物の話題を出したことはないが、話すまでもなく大食漢が漂ってでもいるのか。