一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

理由を深く考えなくても実花子にはわかった。いくつも会社を経営している肩書に王子様のようなルックス。これで自信をもてなかったら、世の男性のほとんどが劣等感しかなくなる。

でも実花子は、そういった要素で結婚相手を選んだりしない。というか、結婚はまだしないのだ。
こういった場合、仲人の白鳥に断りの話をすべきだろうが、緊急事態が勃発している今、そんな悠長に考えてはいられない。


「申し訳ありませんが」
「ちょっと待って」


今まさに断ろうとすると、それを察知したのか拓海が言葉を遮る。
一応は待とうと、仏の心で「なんでしょうか?」と澄まし顔で返した。


「さっきから気になっていたんだけど」


そう言いながら、拓海の手が伸びてくる。唐突にそうされ、息を飲んで思わず身構えた。


「ご飯、付いてるよ」


拓海は長い親指と人差し指で、実花子の左頬に付いていたらしきご飯粒をサッと取った。しかも、それを自分の口に放り込む。
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