一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
――た、食べちゃった!
いや、拓海の言動に驚いている場合ではない。ご飯粒を付けたままなんて、どれだけお子様なのだ。
「はい、お待たせ。どうぞ」
椎名が右手で先を促す。
「……はい?」
気が動転しすぎて、なんのことだったか咄嗟にわからなくなる。
「〝申し訳ありませんが〟のあと」
「あ、あぁはい、そうでした。では、改めまして」
居住まいを正し、軽く咳払いをする。
「申し訳ありませんが、このお見合いはお断りしようと思っています」
今度こそはっきりと告げると、拓海はキョトンとした。何度か目をまたたかせて、実花子の言葉を反芻しているように見える。