一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
躊躇っている実花子に代わって、高木が答えた。
拓海の視線が一瞬だけ実花子を向く。
「護身術?」
聞き返した白鳥さんに「そうです」と高木がうなずく。
「なかなか筋がいいんですよ。さっきも、こてんぱんにやられたところです」
「ちょっと、先生ってば!」
余計なことまで言わなくてもいいのに。しかも、叩きのめしたみたいだ。
実花子は恥ずかしくて体を縮めた。
「でも、どうして護身術なんて?」
「それは……」
白鳥に突っ込まれ答えに困る。そこで不意に拓海と目が合い、不自然に逸らした。
自分のそばにいることで実花子に危険が及ぶと拓海が思っているのなら、それをはねつける力がほしかった。自分の身は自分で守れるようになりたかった。
そうすれば、拓海がまた一緒にいてくれるのではないかと。
でもそれは、拓海が実花子をまだ好きでいてくれる場合でしかない。とっくに嫌われているのなら話にもならないけれど。