一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

耳元で小さく囁いた。
拓海の機嫌が悪いとはいったい?


「なにかあったんですか?」
「そんなの決まってるじゃないか」


いたずらっぽく微笑みながら、肘で実花子を小突く。
そうされても実花子自身にはまったく心当たりがない。


「この前、実花子ちゃんが先生と一緒にいたからだよ」
「え? どうしてですか?」


実花子の問いかけに白鳥が目を見開く。そんなに変な質問をした覚えはない。


「おいおい、実花子ちゃん、わかっていてとぼけるとは人が悪い。ヤキモチじゃないか」
「ヤ、ヤキモチ!?」


思わず大きな声が出たため、すぐそばにいた白鳥が耳を押さえる。
道場の隅でひとりストレッチを続けていた高木も、何事かと実花子たちへ顔を向けた。


「そろそろはじめましょうか」
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