一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

看護師に言われるまま細長いベッドへ足を投げ出して座ると、高木は再び通路へ戻った。

救急の処置室のため、カーテンで仕切られた向こう側からほかの患者の声が聞こえてきた。
そういえば白鳥はどこへ行ったのだろう。今も通路には姿が見えなかったが。ひと足先に帰ったか。

そんなことをボンヤリ考えながら、看護師が素早く手当してくれるのを眺める。患部を中心にアイスノンみたいなもので冷やされること数十分、ぐるぐると包帯が巻かれ、動かないようにガッチリと固定された。


「はい、終わりました。では、通路でお待ちくださいね」
「ありがとうございました」


包帯を巻かれて、先ほどよりも足が不自由になる。靴を履こうと、実花子がお尻を動かして足を下ろしたときだった。


「実花子!」


聞き覚えのある声が処置室内に響く。

この声……。

顔を上げると同時に、白いカーテンがシャーッと開けられた。そこから顔を出した人物を見て、思わず息を飲む。拓海だったのだ。
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