一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
赤信号で止まると、膝に乗せていた実花子の右手を拓海が握った。
「実花子はなにも悪いことはしてない」
悪いのは全部自分だと言っているようだった。
「俺が弱かっただけだ。実花子の身になにかあったらと思うと怖くて。だから逃げた」
小さく息を吐くと、視線を前へ戻す。
自分が離れることで実花子を守ろうとしたのだから、弱くはない。むしろ弱いのは実花子のほうだ。
自分の気持ちを押しつけて、嫌いでもいいからそばに置いてほしいなんて拓海の思いも考えずに。
「でも、もうそう考えるのはやめた。実花子は俺が守る」
もう一度実花子を真っすぐ見つめた。強い決意を感じさせる彼のまなざしに、熱いものが込み上げてくる。潤んだ瞳で見つめ返すと、クラクションの音がうしろから鳴り響いた。
ハッとして前を見て、信号が青に変わっていたと気づく。苦笑いを浮かべながら、拓海は車を発進させた。