一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

◇◇◇◇◇

ヴヴヴという鈍い音が、遥か遠い場所から聞こえてきた。
重い瞼を開けるのも煩わしくて、実花子はその音源を辿ることなく眠りと目覚めの狭間を漂う。

もう少しだけこのまま……。

滑らかなシーツの肌触りの心地よさが、自分のベッドとは違うと気づき、そこでようやく現実に引き戻された。

ガバッと起き上がり、ふと隣に人の気配を感じる。
恐る恐る目を向けてみると、そこにはこの世のものとは思えないくらいに爽やかな、それでいて艶めかしい男の寝顔があった。
ハッとして自分をたしかめると、一糸纏わぬ潔い姿。

ベッドサイドには洋服や下着が脱ぎ散らかしたままにあり、信じられない光景を前に頭の中がパニックになる。

やだ、なんで。どうして。

お見合いした拓海においしいお酒が飲めるというエサをぶらさげられ、心ゆくまで日本酒を堪能したのは昨夜のこと。

飲み過ぎて、いつものごとく足がおぼつかなくなったのは、記憶の片隅にある。

が、これはいったい……。

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