一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「改めてご紹介致します。上原実花子さん、私のフィアンセです。実花子さん、皆さんにご挨拶を」
「えっと……椎名さんの、――って、違います! 違うんです!」


流されてうっかり〝フィアンセです〟と挨拶をするところだった。なんとか正気に戻り、拓海の手を振り解く。

ところがそんな実花子の対応にも拓海は余裕綽々だ。


「大変失礼しました。照れているようですね」


涼しい顔をして釈明する。照れているわけでないのは、拓海が一番よくわかっているはずだ。


「皆さんには、また改めてご挨拶をしたいと思います」


また改めてとは、いったいどういうつもりなのか。

拓海はスマートに頭を下げ、みんなに背を向けた。そこでようやく解放されるかと思いきや、実花子の手を再び取る。


「えっ、ちょっ、ちょっと……」
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