一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

このふたりは、いつもこうして実花子に憎まれ口を叩く。実花子が千沙の親友だと知ってやっているのだから、相当頭が弱いと常々思っている。


「千沙ちゃんもここに来るんだったら、一緒に食べたかったよ」


ふたりがそろってデレデレするが、見ていて寒気がするのは実花子だけではないはず。千沙はそうして媚を売るような男性がじつは苦手なのだ。


「そうですね、今度ぜひ誘ってください」


笑顔で答えるが、その誘いに乗ったことは一度だってない。まさに軽くあしらわれているだけ。千沙はモテるが、そう簡単になびかない。

ゆったりと穏やかな口調の話し方から想像はつかないものの、千沙は芯のしっかりとした女性である。だからこそ、実花子も高校のときから今まで親友としてやってきているのだ。

ふたりの同僚を心の中で嘲りながら、運ばれてきたホワイトソースのパスタにフォークを突き立てた。
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