一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


拓海がプッと吹き出す。


「……すみません」


腕の中で小さく縮こまると、不意打ちで唇が奪われた。それはほんの一瞬だったにも関わらず実花子の心臓を驚かせるには十分なもので、顔から湯気が出そうなほどに熱くなる。

ゆでダコもビックリなほど赤くなった実花子の顔を見て、拓海は優しい笑顔を向けた。
実花子はさらに鼓動が飛び跳ねる。


「お、下ろしてくださいっ」


じたばたもがくのに拓海は全然動じない。
そのときだった。勢いよく部屋のドアが開き、ふたりそろってそちらへ目を向ける。そこから顔を出した祐介は、実花子たちを見て目が点になった。


「ゆ、祐介! まだ起きてたの?」


拓海にお姫様抱っこをされたまま言うセリフでないのは、重々承知のうえだ。でも、もうすぐ日付が変わる時刻。中学生がそんな夜更かしをするものではない。


「……勉強してた」
< 88 / 411 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop