一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
拓海という見知らぬ人がいるがゆえのハッタリに違いない。今までこんなに遅い時間まで祐介が勉強していたためしはないのだから。
とはいえ、実花子もこんな体勢で帰宅すればなんの言い訳もできないけれど。
「外が騒がしいと思って開けてみれば……」
実花子が男に抱き上げられていたというわけだ。
「で、こっちは?」
祐介が拓海をじっと見据える。そこにはちょっとした敵意のようなものを感じた。
実花子が男と一緒にいるところをはじめて見たのだから、免疫がなくて当然だ。
「大変失礼致しました。椎名拓海と申します」
実花子が紹介するまでもなく拓海が名乗る。「ふーん」と気のない返事をする祐介を見て、拓海が実花子に〝誰?〟という目線を送った。
「弟です」
実花子がボソッと答えると、拓海は大きく息を吐いた。