一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
祐介へ名刺を差し出す。祐介はそれを受け取るとまじまじと見つめた。
「キミのお姉さん」
「祐介です」
「え?」
「〝キミ〟じゃなくて祐介です」
祐介が憮然と答える。
「祐介くんか、いい名前だな。それじゃ、祐介くん、こんな形で報告するのも失礼かもしれないけれど、祐介くんのお姉さんとは結婚を前提にお付き合いをさせていただいているんだ」
「違うの、祐介! 結婚なんてしないから!」
なにも今ここで祐介にそんな話をしなくてもいいだろうと、慌てて話に割って入る。
形式上付き合うことになったが、それは別れるためのもの。振られるためにそうしているのだから、未来に結婚はない。
拓海に振られる自信はあるし、それと同じくらい結婚する気もない。
「お姉さんはちょっと混乱しているだけだから」
「混乱って!」
それはない。しっかりじっくりよく考えたうえでの結論にほかならない。