天の川にネガイゴトを
記憶のカケラ
鏡に写るのは、青髪に深い青い目の俺。片目には、星の印みたいなのが入ってる。

「……ふぅ」

俺は1つため息をつくと、黒い杖を持った。呪文を唱えてみるけど、魔法が出てくることは無い。

「はぁ……どうして魔法が使えなくなったんだろ……」

……は?使えなくなった?何言ってんだ、俺は……。

俺は魔力がすっごい弱いから、いっつも周りの魔法使いに笑われるんだ。それに、俺には記憶が無い。自分の名前と種族しか、覚えてないんだ。早く思い出したい。

「……」

俺は、杖を服のポケットにしまって、家を出る。ホントは、外に出たくないんだけど。

「俺ら、ずっと友達な!」

「うん!」

たまたま近くを走り回っていた男の子が、そう言って笑い合っているのを見つけた。何だろう。これを見てると……。

羨ましくなると同時に、複雑な気持ちになるんだ。何か大切なことを忘れているような……。

「あれ?ルトじゃん!」

誰かに声を掛けられて、俺は声がした方を向いた。青髪に黄色の目をした男の子と女の子が笑顔で、手を振っている。

「……」

それを見た途端、ズキン、と頭が痛んだ。

「……ルト?おい!ルト!」

……どうして、君たちは俺の名前を……君たちは、誰?
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