必ず守るから、だから、笑って


水煉も美形の集まりだったから多少慣れている私でも思う。


この3人の顔の整い具合は誰が見てもかっこいいと思うだろう。



その証拠に他のクラスや学年の女子たちが教室に何回か3人を見に集まっていた。


クラスの女子たちも少しでも仲良くなりたいと話しかける機会を窺っている。




だから私以外の人の方が構ってくれるし、親切にしてくれる。


それなのに私に構ってくる理由が分からない。


半日、ずっと私にベッタリだった。


転校したてならもっと周りと話すよね?


彼らの目的はなんなんだろう…。


そもそもこの時期に3人同時に同じクラスに転校してくるなんておかしい。



もしかして、この計画バレてる?


新堂の協力者?


あの3人の実力は分からないけど、相当な実力者だろうし、輝望は頭がきれる。


私が新堂に復讐しようとしてるのがバレている……?



「のんちゃんっ!食堂行こっ!」


桃優のその一言で一気に現実に戻された。


深読みしすぎかな。


もう少し探ってみよう。


「うん、早く行こっか」





食堂にはすでにたくさんの人で溢れていた。


席を見つけるのが大変そう。



先に席とろうか、と言いたくて桃優へ視線を向けると、なにやらキラキラした目でどこかを見つめていた。



その視線の先には長い行列とパンケーキ。


「桃優、あのパンケーキ食べたいんでしょ?席とっといてあげるから並んでおいで」



「えっ、でも悪いよ…」



「そんなの気にしないで?それより早くしないと売り切れちゃうよ」



「う、うん。ありがとうっ、のんちゃんっ!」


手を振りながら走る桃優に、前向いてないと誰かにぶつかりそう、なんて思いながら見送る。


「さてと、席探しますか」



うちは私立の上、人気な学校のため、食堂がすごく広い。


だからパンケーキみたいに、普通の学校では売ってないようなカフェみたいなのも売ってるんだ。



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