皇女殿下の幸せフェードアウト計画
そしてそんな両親を見て育つ姫様は、一生懸命、陛下たちに褒めてもらおう、なにくれとなく気にかけてもらおうと色々なことをするようになったのです。

「姫様、またよそ見をして!」

「見てロベルタ。お父様が狩りに出かけられるのよ。私もいつか、馬に乗ってお父様と一緒に行けるようになるかしら」

「……皇后陛下がお許しくださいましたら、乗馬の訓練も行えるようになりますとも」

授業は身に入らぬようになり、外に向かう両親の姿を見つけてはこちらを振り返らないかと一生懸命窓の外を見る姿に、わたくしも心が痛みました。

お二方は決してイリス様を愛していないわけではないのでしょう。

けれど、決して良い親でもなかったのです。

しかしながら、皇帝という重責、その伴侶ともなれば普通の親と同じように考えてはいけないのかもしれないと、そうわたくしも考えておりました。

その分、わたくしたち臣下が姫様を支え、教え、すくすくとお育ちいただけるよう心を配るのだと思ったのです。
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