皇女殿下の幸せフェードアウト計画
ところが、姫様が十歳におなりになってすぐのことでした。

いつものように熱を出された姫様が、ご両親から見舞いの言葉すら来なかったことを耳にして眠りに入った後に目を覚まされたかと思うと、愕然とした面持ちで気を失ってしまわれたのです。

とうとう気が触れてしまわれたのか。

そんな風にまで言う者がいて、わたくしは怒りました。けれどそんな風に見える程に、あの瞬間の姫様は、絶望を覚えたかのような顔をなさっておいでだったのです!

(ああ、可哀想な姫様!)

その後回復した姫様は、どこか達観したような面持ちをなさるようになりました。

もう窓の外はご覧にならず、まるで人が変わったかのように勉学に励まれるようになったのです。

「やる気になってくださった……!」

なんと喜ばしいことでしょう。きっと気持ちの整理がついて、大人になられたのでしょう。

愚かなわたくしはそのように思っていたのです。
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