皇女殿下の幸せフェードアウト計画
そこから姫様は癇癪を起すようになられたのです。

いくらわたくしが言葉で諫めようと、お聞き届けくださいません。幼さゆえだから甘くみてはどうだという夫の言葉に、何度わたくしが反発したことでしょう!

「誰も姫様を咎めないからこそわたくしが言うのです。どうしてあなたも、ただただ甘く許してばかりなのです!?」

「しかし、姫様は……愛されたいのだ」

「愛されるというものは、ただ甘やかされるというものとは違います」

「それはわかっておるよ、だけれど……」

堂々巡りの中で、わたくしたちは姫様への接し方がわからなくなってしまったのです。

情けないことですが、どうしてよいのか皆目見当がつきませんでした。

月日は流れても、姫様は最低限の勉強だけをこなし、皇后陛下の気を引こうとその様子を真似てみたり、背が伸びないことを悩んでおられたり。

誰かに頼ることは、許されない。

まるでそんな風に振る舞う子供に、わたくしはただ叱ることが愛情なのだと信じておりました。
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