皇女殿下の幸せフェードアウト計画
ああ。なんということでしょう。

心に整理がついたのではありません! 姫様は、諦められてしまったのです!!

どうしてわたくしはもっと親身に、娘と同じ年の幼い子供に優しく接してあげなかったのでしょう。夫がしていたように、すべてを肯定することが良いとは今でも思っておりませんが、それでもほかに何かやりようはあったはずなのです。

今まであれほどまでに皇帝陛下を父と慕っておられたというのに、まるで他人を尊敬するかのようなその空気にわたくしは涙が出そうになったのです。

(その上で、皇女として己の価値を高めようとなさるだなんて! なんて健気なのでしょう!!)
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