皇女殿下の幸せフェードアウト計画
残念ながら姫様のご婚約者は流行病で儚くなられてしまい、候補を探している最中です。その座は他国にとって確かに魅力的でございましょう。

女帝ともなれば、己の身さえも駒の一つとして思わねばならぬ時があると帝王学をお教えする際にいずれは教えることになるだろうと思っておりました。

ですが姫様はすでにこの年齢でそれを悟られたのです。

それは、あまりにも早いことではないでしょうか。

さらにわたくしは、その後に知ってしまったのです。

皇后陛下の良くない噂を、幼い姫様が耳にしたのだということを。

そして姫様の人が変わられた時期とそれが合致するのだという事実を。

ああ、神よ。

幼くしてあのように他者を思い振る舞える姫様に、どうか祝福のあらんことを!
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