皇女殿下の幸せフェードアウト計画
だけど、ユゼフは違うようで首を左右に振った。

「そこです、陛下」

「なに?」

「我々はその頃、ただの子供でした。確かに国民の多くよりも礼儀作法や知識を身につけた子供出会ったことは間違いありません。ですが、齢一桁の幼き子供だったのですよ!」

今、庇われているのは自分のことなのに、まるで他人事のような気持ちで見ている私は目をぱちぱちさせるくらいしかない。というか、びっくりした。

いやそうか、冷静になればあの当時の私は記憶を取り戻すよりも前のことなんだし、普通に考えたらそこまで気が回らなくて当然か。

(むしろ友達のためにお土産を用意したってだけで……)

しかも相手が好きなものを用意するって、あれ、記憶を取り戻す前のイリスも悪い子ではなかった?

「ルイーズからそのことを指摘され、私も恥ずかしながら記憶が曖昧で……城下にお住いの、元乳母殿の所に足を運び確認いたしました」

「えっ!?」

「その折、何度か皇女殿下はルイーズのところへ遊びに行きたいと仰られたそうですが、例えロベルト様のところであろうと貴族の一人の家へ行くようでは不公平になるからと諭され諦めたこともあったとか」

「……そのようなことがあったのか」
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