皇女殿下の幸せフェードアウト計画
私が希望を見出したところで、まだフォルセティは納得していないようだった。

「いや、持っているはずだ」

「フォルセティ、何を言っているのだ。生まれた時に洗礼を受けたが、イリスに恩恵はなかった。それは余が知っておる」

「しかし、彼女はおれに祝福を与えた」

「えっ?」

いつだよ!? おっと思わず内心とはいえ言葉遣いが悪くなってしまった。いけないいけない。

でも私はそんな能力はこれっぽっちもないんだけれど。っていうか祝福ってなに?

陛下が仰ったように、私には『ギフト』はない。そもそも設定もそうだし。

「確たる証拠はない。……だが、彼女がおれに対し感謝と共に触れてくれた時、自分を救ってくれたように誰かを救ってくれと言った時、確かにおれは何かを感じたのだ」

フォルセティはその時のことを思い出しているのか、掌に視線を落として幸せを噛みしめるような顔をしていた。

(推しのその表情、ものすごく尊い……)

尊いけど、それが祝福だっていうのはちょっとどうかなって気がするんだけど。

いや確かに私はフォルセティに対して前、素直に感謝の気持ちを述べたし……物語の主人公としてこれからも多くの人を助けて行くんだろうなって思ったからこその言葉だったし……だからこれといって特別なことをしたわけでは……。
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