皇女殿下の幸せフェードアウト計画
『それは誤解ですわ!』

ところが娘は母の無実を証明した。

後の会議ではその母のために皇位継承権を返上するとまで言い出したのだから驚きだ。てっきりその場の空気から逃れたいがために言い出したのかと思えば、これまた皇族の務めとして残ることも辞さぬという態度を見せたのだからさらに驚かされた。

そこまで驚いたところで、それは皇族として教育されれば当然だったかと思い当たる。

いつの間にか、イリスはなにもできない子供のままだと思い込んでいたのだと、気づいたのだ。当然その会議には諸侯がいるのだから、顔に出せるはずもなかったが。

その挙句にロベルトとユゼフに言われた事実に唖然としてしまった。

母の不義に気づいていたからこそ、それを誤魔化すように……或いは引き戻すために気を引こうと必死な、子供なりの努力だった?

言われてみればそうだ、后の不義がはっきりした頃からあの子が体の不調を感じ医師を呼ぼうとも、連絡だけで呼ばれることはなくなった。

あんなに狩りに出るたびに窓からこちらを見ていたというのに、その視線がないことをいつしか不思議に思ったくらいだったのに。
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