皇女殿下の幸せフェードアウト計画
(……物語、通り?)

ふと、私の脳裏を疑問がよぎった。

お姉様は、商人から話を聞いて真実を確かめるためにこの城までやって来た。万が一本当に皇后がラエティティア様を暗殺すると企て、陛下がそれを容認していたならば復習しようと……。

(だけど、それって変じゃない?)

その商人は、どうして『皇后が、歌姫ラエティティアに嫉妬して暗殺しようとした』なんて噂を話したんだろう。

世間で悲恋の代名詞とまでなった二人の話題だったから噂話に花を咲かせてだったんだろうか。

だけど、そう、あまりにもタイミングが良すぎて。

(そうよ、だって……元々の設定だと、大公である叔父様の領地を通るラエティティア様の馬車が盗賊に襲われて、救出に向かったけれど、間に合わなくて……その場で息の合った、生まれたばかりのお姉様を簒奪を企てるための駒として育てる……)

だけれど、実際はまるで違う展開だ。

叔父様はその時救出になんて言っていないし、皇后は歌姫の大ファンで、逃げ延びた先でラエティティア様は産後の肥立ちが悪くて……あまりにも設定と違う状況なのに、どうしてリリスは物語と同じように疑いを持って陛下の所までたどり着いた?

設定通りだったなら、叔父様の権力と財力があったから可能だったことが、商人から話を聞いて行動できたのはなぜ?
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