皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「イリス……」

「素晴らしいことでございますな、皇帝陛下。ご息女がお二人とも恩恵を神より授かるとは……特にイリス皇女殿下は『愛し仔』とまで! 後天的に恩恵が授けられた例は少ないですが、このような瞬間に立ち会わせていただけましたこと、感謝いたします」

「……こちらこそ、手間をとらせた」

陛下が私に何かを言おうとして、口を閉ざしてしまった。

でも司祭様が喜ぶのもわかる。当人としてはとても複雑なのだけれど……やっぱり、『愛し仔』って呼ばれ方も気になるし。

「ワレリアにも使いを出し、この慶事をお伝えせねば!」

「猊下によろしく伝えてくれ。……洗礼の儀は完了した、おまえたちも諸侯のところへ行くぞ」

陛下の顔が、険しい。

もう私を見ることなく、さっと部屋を後にしてしまった。

(……やっぱり、私がギフトを得たせいかな)

折角リリスがギフト持ちであるとわかって、私を皇位継承者から外しても安泰だと思ったところだったろうに……私も残念だったけど、陛下はもっと残念な気持ちだったのかもしれない。
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