皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「陛下、これにてご息女リリス様はめでたく洗礼の儀を終え皇女として教会に認められました。この後は各国から客人を招いてのお披露目のパーティを済ませた後、国民を前に一度ご挨拶ということでよろしいでしょうか」

「うむ」

「では、そちらはそのように」

ロベルトが述べたのは前々から予定していた手順の、確認に過ぎない。

諸侯が本当の意味で確認したいのは別のことだ。そしてそれは、この場にいる誰もがわかっていることでもあった。

「それでは皇位継承権についてはいかがいたしましょうか」

「……継承権第二位とする」

(えっ)

諸侯からの問いに、一拍置いて陛下がそう答えた。

思わず私も諸侯も息をのんだけれど、陛下はそれを意に介さず言葉を続ける。

「イリスは幼い頃より時代の皇帝として帝王学を受けてきた。此度、神が『恩恵』を授けてくださったこともあり皇帝として相応しい器なのだろうと考える。しかしながらリリスもまた『恩恵』を授かった身」

陛下が立ち上がり、お姉様の手を取って立たせる。

私はどうして良いかわからず、二人を見上げるだけだ。
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