皇女殿下の幸せフェードアウト計画


エファージェン公国のお客様とお茶会をした翌日、私は陛下に呼ばれていた。

しかも執務室だ。驚きである。

だって幼い頃からワガママを言って入らせてもらった時以外、来たことがない部屋だ。

何で呼びだされたんだろう、やはり公子たちとお茶会をしたから?

内心ガクブルしながら向かうと、陛下の補佐官をしているロシェが困ったような顔で出迎えてくれた。

(そういえば、彼は……いつも優しかったっけ)

ちゃんと、イリスを子供として扱ってくれた数少ない大人だった気がする。

でも幼い私は苦手だった。注意をしてくれる人だったから。

(……今にして思えば、本当に貴重な人ね)

部屋の中では陛下が窓の外を見ていて、私は静かにドレスをつまんでお辞儀をする。

ロシェの声も、人の気配もしているのに振り向かないのは呼びたくて呼んだんじゃないってところなのかなとちょっとだけ胸が痛んだ。
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