皇女殿下の幸せフェードアウト計画
皇女という立場と一人っ子ということでワガママ放題だった私は両親の愛情を一身に受けているのだとばかり思っていたら、それはただの、幻だった。

今でこそ安定している領土だけれど、父が皇帝になってから打ち出した政策の数々から急激に成長を遂げた国でもある。そして、それこそぶっちゃけるとその資金源は、皇后たるお母様の持参金だった。

つまり、持参金目当ての政略結婚なので夫婦仲はそんなによろしくない。

それは別にいい……というのも変な話だけれど、こうしたことは王族なら珍しくないと記憶を取り戻した私は思う。

だけど記憶を取り戻す前の私は違ったようだ。

(愛し、愛されたい……かあ。まあ記憶がないのも私だもんね、わかる……)
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