皇女殿下の幸せフェードアウト計画
そんな私をよそに、お母様は真っ白な顔をしたままリリスをじっと見つめていた。噛みしめすぎた唇は血が滲んでいるかもしれない。

「ラエティティアの、娘……生きていた……本当に……」

「ええ。私を身籠った後に襲撃を受け、川に流された先で拾ってくれた親切な老夫婦によって私は引き取られました。残念ながら母は私を産んですぐ亡くなってしまいましたが……遺品から最終的に皇帝陛下と歌姫ラエティティアにたどり着きました」

「余の寝室に現れたリリスを見て、何を疑うことができようか。これほどまでにラエティティアに瓜二つ、どこにいようがすれ違いさえすれば見つけ出せていた」

「噂は本当なのですか、貴女が私の母を疎んじ、愛妾として迎えさせないために刺客を放ったというのは……!!」

会えて嬉しいという感情を余すところなく笑みを浮かべ熱っぽいその視線を送る皇帝陛下をまるっと無視してリリスは一歩踏み出してお母様に詰め寄った。
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