皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「……できちゃった」

閉じこもっている間に、せめて何か残していけないかなと思った。

私にできることといったらレース編みくらいだったから、リリスにショールを作ったんだよね。華やかな彼女に似合うように、図案だってしっかり考えてから……そして出来上がったら、手渡したいなって。

お母様の処断を決める議会が始まったら、きっと私も参加するよう言われる。出来上がる前にそうなったら、渡すのも諦めて大人しく舞台から消えようと思って。

けれど、いつまで経っても呼びだしは来ないまま。そうしてショールは出来上がった。

自分で作った中でも、最高の出来栄えだと思う。

これをリリスがまとってくれたら、どれほど嬉しいだろう。

「……」

会いに行っても、いいのだろうか。

出来上がったこのショールを、渡しても……いいんだろうか。

持って行けば受け取らざるを得ないだろう。変なものが仕込まれてるとか嫌がらせって思われる可能性だってある。

でも、リリスは毎日のように花を送ってくれてるんだからそのお返しに……手作りショールを? 重くない?
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