皇女殿下の幸せフェードアウト計画
「はー……どうしたものかしら」

「イリス様? どうかなさいましたか?」

「いいえ、なんでもないわ。下がっていて」

「……畏まりました」

声をかけてきた侍女を冷たくあしらう。

あ、言っておくけどこれは癇癪じゃなくて、私がわざとそうしてるんだからね!

記憶を取り戻して以降、私だって色々考えた。

それこそ知恵熱出たんじゃないかってくらいには。

単純に自分が望んだ、自分が書いた物語に展開を寄せていけるよう行動すれば良いのでは? と思ったんだけど、物事はそんな単純じゃないんだよ。

(色々と設定が、おかしいんだよね……)

例えば……私の設定によるとイリスは父親には可愛い娘だけど、現実の皇帝陛下は『後継者としてのイリス』にしか興味がない。つまり設定にない状態。

一方の皇后、つまり私のお母様は皇帝の弟と不倫している……というドロドロな妹の設定が生きているっていうヤバイ状況だ。
< 9 / 370 >

この作品をシェア

pagetop