秘密の懐妊~極上御曹司の赤ちゃんを授かりました~

微笑みながら想像を巡らせていると、翔悟さんがそっと手を差し出してきた。


「祖母相手だと俺は頼りなく見えるかもしれないが、穂乃果のことはしっかり守ると約束する。俺を信じて欲しい」

「翔悟さん」


真っ直ぐ目を見つめながら告げられた思いに胸が震え、私も彼へと手を伸ばした。温かな思いを余すことなく受け取めるように、翔悟さんの手をそっと両手で包み込む。


「そう言ってもらえて嬉しいです。私はこれからも翔悟さんについていきたい」


お互いに目をそらさず見つめ合う。触れる手が熱くなり、焦がれる気持ちに引き寄せられるように私たちはゆっくりと顔と顔の距離を縮めていく。

わずかに身を乗り出して、口づけを交わそうとした瞬間、「失礼します」とドアが小さく叩かれた。注文を取りに女性店員が入ってくるのと同時に、ゼロ距離になりかけていた顔と重なっていた手を離す。慌ててメニューを掴み取り、頬を赤らめながら逆さまだったメニューをひっくり返した。

数分前まで沈み切っていたのが嘘のように、気持ちが舞い上がっている。のぼせた頭ではうまく物事を考えられず、私は「彼と同じものを」と注文を繰り返した。

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