私と彼女と一冊の本
友達付き合いに関しては少し気になる点があったものの、何かわからないことがあれば「体調が悪いの」と言えばいいといったら、とくに困ることはなかった。

「すごい! すごいよ!」

私は、もう1人の自分を褒めた。

今日は古典の小テストがあったが、結果は満点だった。私はまるで自分が満点をとれたように嬉しかった。

「ありがとう。ゆかりが私をここまで育ててくれたお陰」

「なにいってんの! それは貴方の実力だって。だから素直に喜びなよ」

「うん、すごく嬉しい」

あれ?貴方の実力って言っちゃったけど、これは私なんだよね?


そう、私が満点をとったんだ。
だから、彼女を褒める必要なんかない。

だって、彼女は私が呼び出しただけの人物なんだから。
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