【完】溺愛したいのは、キミだけ。
そこで彼はなぜか、ギョッとした顔で声を詰まらせて。


しまいには、呆れたように大きくため息をつかれてしまった。


その様子を見てハッとする。


あ、まずい。つい興奮して変なこと口走っちゃった。


引かれたかな……。


すると神城くん、なにを思ったのか急に私の右手首を掴むと、そのままグイっと自分のほうへと引き寄せてきて。


コツンと彼の額と自分の額がくっつく。


「じゃあもっと、ドキドキさせてやろっか?」


「えっ……」


思わぬことを言われ、ドキッと跳ねる心臓。


ちょ、ちょっと待って。何この状況。


顔が近すぎるよっ。


その声でそんなこと言われたら、私……。



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