【完】溺愛したいのは、キミだけ。
思わず沙穂ちゃんに神城くんの話をしたら、沙穂ちゃんは目を丸くして驚いていた。


「えーっ! あの神城くんに水ぶっかけたぁ!? しかも、カケルくんに声がそっくりって、ほんとなの!? それってすごくない!?」


「そうなの……。だから神城くんが喋るたび、カケルくんと話してるみたいでドキドキしちゃって。まさか、こんなそっくりな人がこの世にいるなんて思わなかった」


すると、そんな私の話を聞いた沙穂ちゃんはニヤッと笑って。


「うわー、それは私もびっくりだわ。でもさぁ、それってつまり、琴梨は神城くんのことが気になるようになっちゃったってこと?」


「いや、べつに、そういうのじゃないんだけど……っ」


気になると言えば気になるけど、それは声が気になるってだけで。


実際声はカケルくんにそっくりだけど、見た目も性格も全然違うし、神城くんはちょっとクールで若干口が悪いというか、ふてぶてしい感じだし。

昨日も変な奴とか言われちゃったし。


「でも、これって恋のチャンスだったりするんじゃないのー?」


「えっ!」



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