【完】溺愛したいのは、キミだけ。
頷く私を見て、ニコッと微笑む彼。


「優しいんだね」


――ドキッ。

そのキラキラの笑顔があまりにも眩しくて、ますます心拍数が上がる。


すると翠くんはそこでふいに片手を伸ばすと、なぜか私の前髪にそっと触れてきた。


「てか、ずっと思ってたんだけどさー、その前髪、長くない?」


「えっ!?」


ちょっと待って。なになに、ずっと思ってた?


というか、翠くんの手が……っ。


「前見づらくないかなーって思って」


動揺して固まる私の顔をじーっと覗き込んでくる翠くん。


その顔は、近くで見るとますますイケメンで整っていることがよくわかる。


翠くんが、触れた手で私の前髪を横に流し、整える。


「……ひゃっ」


「ほら、こうしてたほうが、顔がよく見えるじゃん」



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